「乗用車企業平均燃費・新エネ車クレジット同時管理実施法」の概要 ~NEVクレジット編~
【ご留意事項】 こちらに記載する内容は、中国政府機関の公示した内容を株式会社フォトハイウェイ・ジャパンが抄訳したものであり、内容の正確性を保証するものではありません。
正確な内容については、下記に示す中国政府機関の公示内容(中国語)を各々精読いただけますよう、お願い申し上げます。
定義
- 新エネ乗用車……EV、PHV、FCV
- 従来型エネルギー乗用車……(新エネ乗用車に該当しない)ガソリン、ディーゼル、ガス燃料、アルコールエーテルを燃料とする乗用車(PHVではないHVを含む)
- 低燃費乗用車……総合燃費が「GB 27999 乗用車の燃料消費量評価方法及び指標」で定められている燃費(単位距離の走行に要する燃料量)目標値と当該年度の企業平均燃費(CAFC)要求を乗じた数値(計算結果は小数点第3位を四捨五入)を超えない従来型エネルギー乗用車
NEVクレジット要求水準の計算基準
段階 | 対象 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2020/6/15公布 改正最新版[NEW] | 年間生産・輸入台数 3万台以上 | N/A | 10 % | 12 % | 14 % | 16 % | 18 % | 未定 |
2017/9/28公布 現行版 | 年間生産・輸入台数 3万台以上 | N/A | 10 % | 12 % | 未定 | 未定 | 未定 | 未定 |
NEVクレジット要求水準……生産台数に以下の係数を乗じて算出する。
【低燃費乗用車に対する優遇措置】
ただし、低燃費乗用車の要件を満たすものについては、以下の係数を乗じて算出する(割り引かれる)。
- 2021年度……0.5
- 2022年度……0.3
- 2023年度……0.2
クレジット計算基準
モデルごとに、申告生産台数に車種別基準クレジット(車のモデル別に性能仕様に基づいて算出した値)を乗じて算出したポイントの総和が充当できるクレジットとなる
1.EV
EVの新エネ車クレジット=基準車種クレジット×走行可能距離調整係数×エネルギー密度調整係数×電費調整係数×生産台数
【基準車種クレジット】
EVの基準車種クレジット=0.0056×R(中国工況基準で算出したEVの満充電一回あたりの走行可能距離(km))+0.4
※ R……中国工況基準で算出したEVの満充電一回あたりの走行可能距離(km)
※ Rが100km未満の場合……基準車種クレジット=0
※ Rが100km以上、150km未満の場合……基準車種クレジット=1
【走行可能距離調整係数】
当該車種の満充電一回あたりの走行可能距離に応じて、0~1.0を走行可能距離調整係数として乗じる
R が 100km未満の場合……走行可能距離調整係数=0(つまり何台生産してもクレジットは発生しない)
R が 100km以上、150km未満の場合……走行可能距離調整係数=0.7
R が 150km以上、200km未満の場合……走行可能距離調整係数=0.8
R が 200km以上、300km未満の場合……走行可能距離調整係数=0.9
R が 300km以上の場合……走行可能距離調整係数=1.0※ R……中国工況基準で算出したEVの満充電一回あたりの走行可能距離(km)
【エネルギー密度調整係数】
当該車種が搭載するEV駆動用バッテリーシステムの重量エネルギー密度に応じて、0~1.0を乗じる
e が 90Wh/kg未満……エネルギー密度調整係数=0(つまり何台生産してもクレジットは発生しない)
e が 90Wh/kg以上 105Wh/kg未満……エネルギー密度調整係数=0.8
e が 105Wh/kg以上 125Wh/kg未満……エネルギー密度調整係数=0.9
e が 125Wh/kg以上……エネルギー密度調整係数=1.0※ e……EV駆動用バッテリーシステムの重量エネルギー密度(Wh/kg)
【電費調整係数(EC系数)】
当該車種の中国工況基準の電費(kW·h /100km)が、以下の条件で算出される電費目標値をクリアしている場合、その達成度合い(電費目標値÷実電費)を電費調整係数として乗じる
m が 1000kg以下……0.0112×m+0.4
m が 1000kg超 1600kg以下……0.0078×m+3.8
m が 1600kg超……0.0048×m+8.6
※ m……車重(kg)
【条件など】
・時速100km/hで連続30分以上走行できなければならない
・電費目標値を達成していない場合、電費調整係数は0.5となり(クレジットは半減する)、余剰クレジットの自社外への譲渡は認めない
・EVの基準車種クレジットの上限値は 3.4
・電費調整係数の上限値は 1.5
※ 計算結果は小数点第3位を四捨五入
(例) 満充電一回あたりの走行可能距離 250km、EV駆動用バッテリーシステムの重量エネルギー密度 150Wh/kg 、車重 1000kgで電費10kW·h/100kmのモデルを1万台生産した場合に得られる新エネ車クレジット
- 基準車種クレジット=0.056×250+0.4=14.4
- 走行可能距離調整係数=0.9
- エネルギー密度調整係数=0.9
- 電費目標値=0.0112×100+0.4=11.6
- 電費調整係数=11.6÷10=1.16……(クレジットが16%触える)
- 新エネ車クレジット=14.4×0.9×0.9×1.16×10000=135,302
2.PHV
PHVの新エネ車クレジット=基準車種クレジット×生産台数
【PHVの基準車種クレジット】
基準車種クレジット=1.6
3.FCV
FCVの新エネ車クレジット=基準車種クレジット×生産台数
【FCVの基準車種クレジット】基準車種クレジット=0.08×燃料電池システムの定格出力(kW)
【条件など】・満充填一回あたりの走行可能距離300km以上であること
・燃料電池システムの定格出⼒が駆動⽤モーター定格出⼒の30%以上かつ10kW以上とならない場合、0.5を乗じ(半減する)、余剰クレジットの自社外への譲渡は認めない
・FCVの基準車種クレジットの上限値は6.00
※ 計算結果は小数点第3位を四捨五入