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中国の認証制度にはどのようなものがありますか?変化は見られますか?
中国には、多種多様な認証制度があります。製品を対象にしたものの他にも、企業を対象にしたものもあります。中国における製品認証制度としては、いわゆるCCC認証が有名ですが、これは、中国政府が特に管理・監督を要すると判断した一部の品目に対する強制認証制度です。
中国政府の近年の品質行政を見ていると、欧米と同様の制度を踏襲せずに、独自の制度を確立することを目指していることがわかります。その一例に、「認証」から「評価」への変化があります。製品の品質(性能や耐久性)のみを評価するよりも、環境性能や安全性能など、複数の認証制度を複合的、包括的に統合し、評価しようとしています。新発売時や市場参入時に審査して発売、事業化を認める「認証」より、定めた基準に基づいて行なう試験や検査などによる対象の「評価」を重視しているように見受けられます。
もちろん、CCC認証はもとより、家電製品などに対する省エネ認証など、古くからの認証制度も残っていますが、生産設備や労働環境、リサイクルなどの評価制度の各地の地方政府による導入事例が増えており、各地で実施された評価結果も日々公開されています。地方市場監督部門が有力製品を一堂に集めて定めた基準に基づいて評価、採点する製品の比較試験活動は、中国ならではの評価活動といえるでしょう。
さらに、生産者や販売者としての法人に対する評価制度も導入が進んでいます。
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CCC認証制度はどのように変化していますか?
現在のCCC認証は、認証申請よりも、事後の検査結果を重視しています。 認証の取得は自ら「認証基準に適合しています」と自ら宣言すれば、比較的容易と見られます。その分、事後の品質検査などで不合格になるなど、基準に達していないことが明らかになった場合(自己宣言が虚偽だったということになりますから)、処分が厳しくなると言われています。この姿勢は、政府の指導体制が変わった、この十余年の間に起きた最も大きな変化です。
品質抜き取り検査は、生産段階、流通段階のそれぞれで行なわれています。各々の地域でどのような検査を行なうかは、国の指針に基づいて、省や自治区、市の単位で定めた実施規則/細則に基づいて行なわれます。
さらに、消費者の関心の移り変わりや市場の変化を受けて、CCC認証の対象品目に加えられるものや外れるものもあります。それ以外にも、認証規則の内容も、求める品質の見直しを反映した依拠標準の見直しや追加の影響を受けて、更新されています。
- 市場監管総局公告[2019] 44号 CCC認証対象製品の一覧および認証実施方法を見直し【国家市場監督管理総局(SAMR)】
- 市場監管総局公告[2024] 9号 商用ガス燃焼器具など7品目へのCCC認証管理の実施を発表【国家市場監督管理総局(SAMR)】
- 深市監 [2022] 207号 広東省深圳市市場監管局、「CCC認証免除となる自己宣言制度による貿易利便化改革試行の実施計画」を通達【広東省深圳市市場監督管理局】
- 市場監管総局通告[2024] 15号 認証有効性に関する抜き取り検査結果(2024年第2期)を発表【国家市場監督管理総局(SAMR)】
製品に対する認証/評価制度にはどのようなものがありますか?
製品については、その製品の直接的な品質(性能や耐久性など)に加えて、安全性(健康、環境、情報セキュリティ他)などの面で評価されます。品質については、自国製品の海外輸出を通じた経済発展を国是としているので、国際的な競争力が得られるように年々高い水準が要求されるようになっています。その背景には、標準規格の高度化、細分化があります。
さらに健康安全性はもちろん、環境安全性に対する基準は、高度化に加えて、広範化、細分化が進んでいます。消費電力などの省エネルギーから始まり、カーボンフットプリントなどの低炭素性能やリサイクル推進や過剰包装禁止などの資源総合利用、生産拠点の生産安全性なども網羅されています。
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認証/評価制度に地域毎の違いはありますか?
CCC認証のように全国統一の認証制度であっても、その適合性の審査が実質的に、各地(生産地域や流通地域)で実施される品質抜き取り検査に依る部分が大きくなっています。検査の実施規則に大きな地域差があるとは考えにくいですが、対象品目の指定も含めて地方政府に委ねられている裁量があるのは事実です。現実的には、検査体制の質的、量的な違いも考えられます。
他にも、品質向上にとりわけ熱心な地方があります。上海市や浙江省などは、自らの名前を冠したブランドを立ち上げ、より高いハードルをクリアした製品を優遇しています。
生産に関する認証/評価制度にはどのようなものがありますか?
生産設備に対する評価基準としては、大気汚染、土壌汚染、水質汚染対策などに対する環境規制適合性があります。特に、最近は低炭素性能に対する要求が強まっています。生産段階における炭素排出量についても取引市場が確立されています。こうした視点は、「緑色生産」と呼ばれ、独立した認証制度が設けられている場合もあります。しかし、最近では、一定の基準を満たす事業者、事業施設を評価、合否を公表する評価制度として運用されているケースが目に付きます。
また、環境規制以外にも、いわゆる労働災害の防止生産安全性に対する評価も厳しくなっています。こうした生産に関する広範な領域を包括的に捉えるために、クリーナープロダクション、拡大生産者責任といったフレーズを含んだ政府による通達文書の公示が増えています。
- 質量認証中心、拡大生産者責任に対する履行実績評価業務を開始【質量認証中心(CQC)】
- 北京市市場監管局、同市地方標準「生産者/経営者のための安全生産リスク評価および管理規範」に対する意見募集を開始【北京市市場監督管理局】
- 市生態環境局弁公室便函[2024] 66号 重慶市生態環境局、クリーナープロダクション審査対象となる企業一覧(2024年度)などを通達【重慶市生態環境局】
- 広東省深圳市生態環境局、「深圳市における汚染物質排出企業(機関)の環境信用評価指標」を通知【広東省深圳市生態環境局】
- (広東省)深圳市竜崗区企業誠信商会公告[2024] 2号 企業の信用評価に関する団体標準4件を発表【全国団体標準信息平台】
- 発改財金規[2024] 203号 発改委と人民銀行、「全国公共信用情報基礎目録(2024年版)」と「全国信用失墜懲戒措置基礎リスト(2024年版)」を通知【国家発展改革委員会(NDRC)】
- 重慶市生態環境局、企業環境信用評価結果(2021年度)を発表【重慶市生態環境局】
- 広東省広州市生態環境局、「広州市における企業環境信用評価の信用回復ガイドライン(2023年版)」を発表【広東省広州市生態環境局】
- 深環規[2023] 3号 広東省深圳市生態環境局、「深圳市における汚染物質排出企業(機関)の環境信用評価管理実施法」を通達【広東省深圳市生態環境局】
- 中国標準化協会、品質等級分けおよび「トップランナー」評価要件関連を含む団体標準7件に対する意見募集を開始【全国団体標準信息平台】
- 中国電子質量管理協会、団体標準「リチウムイオンバッテリーの品質等級分け評価規範」に対する意見募集を開始【中国電子質量管理協会】
- 中電標通[2024] 10号 中国電子工業標準化技術協会、リチウムイオンバッテリーなどに関する団体標準4件を発表【中国電子工業標準化技術協会】
- 質量認証中心、スマートロックのパスワードアプリケーションセキュリティ評価業務を開始【質量認証中心(CQC)】
- 中国電池工業協会、電池のカーボンフットプリント評価ガイドラインに関する内定した団体標準3件の制定計画を公示【中国電池工業協会】
- 中国建築衛生陶瓷協会、一体型便器を含む温水洗浄便座の品質等級分け結果を公示【中国建築衛生陶瓷協会】
企業に対する認証/評価制度にはどのようなものがありますか?
企業や個人に対しては、信用評価制度が導入されており、個別の製品以上にきめ細かく評価が行なわれています。企業に対して、近ごろ導入された制度に、企業社会信用評価、企業生態信用評価の二制度があります。前者は、社会に貢献していると評価されればスコアが上がり、社会に悪影響があると評価されればスコアが下がります。後者は、大気・水質・土壌汚染や騒音発生などの伝統的な環境問題に加え、カーボンニュートラル化や資源リサイクルなどの取り組みが評価されます。ここ最近目立つのが、過剰包装に対する規制の強化です。
評価が高いと、補助金を受けやすい、政府調達に参入しやすいなどの優遇を受けられますが、評価が低いと銀行借り入れの条件が厳しくなったり、受けられなくなるなどの制限を受けると言われています。