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ホーム中国標準制度などを学ぶ・調べる中国標準制度入門国標委発[2023]39号 「推奨国家標準への団体標準の信用採用に関する暫定規定」に関する通達(日本語訳)

国標委発[2023]39号 「推奨国家標準への団体標準の信用採用に関する暫定規定」に関する通達(日本語訳)

中国標準制度入門

本内容は、中国国家市場監督管理総局弁公室が 2023 年 8 月 18 日に同局の公式ホームページに掲載した内容を、 上海標尊商務諮詢有限公司ができる限り原文に忠実にと努めて仮訳したものです。
 
しかしながら、弊社は、仮訳を含め、その内容の正確性、信頼性、完全性を保証するものではありません。 また、弊社は、当該情報に起因して発生した損害については、その内容如何にかかわらず、一切責任を負いません。 本文書の内容を一部あるいは全部にかかわらず、無断で複製・転載・転送することは、固くお断りいたします。

(2023年8月6日『国标委发〔2023〕39号 国家标准化管理委员会关于 印发《推荐性国家标准采信团体标准暂行规定》的通知』)

推奨国家標準への団体標準の信用採用に関する暫定規定 とは

●団体標準とは、学会や協会などの各組織が編集または発表する標準(連盟標準と呼称されることも)で、改正中国標準化法では「国家は重要業界、戦略的な新興産業、核心となる基盤技術などの分野において自己革新による技術を利用した団体標準、企業標準の制定を支援する」と謳っています。

●現在の団体標準は、国家標準や業界標準のような審査を経ることなく登録のみで発効するため、膨大な件数の標準が日々登録されている、無作為抜き取り監査の対象にならなければ誤謬が訂正されないなどの特性があります。

●今回の規定は、制定計画の策定から実際の登録に至るまで、国家標準化管理委員会が審査などを行なわれずに、無審査で登録されただけの団体標準が、(登録から2年の間、問題を指摘されていないなど)一定の要件を満たせば、国家標準として取り扱うことを認めるものです。

●さらに、国務院標準化行政主管部門は、団体標準を公布する社会団体と協力して団体標準採用の提案を提出できるとされているため、国家標準としての制定するプロセスとは別に、団体標準として制定しておいて後から国家標準に昇格させるという道筋が開かれたことにもなります。

●したがって、国家標準の制定動向だけを注視していても、想定していなかった(団体標準由来の)国家標準が誕生することで、法規不適合リスクに見舞われる可能性が生じることになります。

●この可能性は、多くの団体標準がすでに登録されている、先進的な事業領域、高機能性商品ほど、高いと考えられます。

●なお、国家標準として採用された団体標準の著作権は策定機関から国務院標準化行政主管部門に移行するとされています。

国家標準化管理委員会文書 国標委発[2023]39号 国家標準化管理委員会の「推奨国家標準への団体標準の信用採用に関する暫定規定」に関する通達

国務院関連部門弁公庁(弁公室、総合司):

ここに「推奨国家標準への団体標準の信用採用に関する暫定規定」を通達する
この暫定規定に基づき、関連作業を実施する

国家標準化管理委員会
(公布日)2023年8月6日

第一条 
団体標準を推奨国家標準として採用することを規範化し、推奨国家標準の供給経路を広げ、団体標準の革新成果の幅広い応用を促進するため、この規定を制定する

第二条 
この規定に述べる団体標準を推奨国家標準として採用するとは、この規定の要件に適合した団体標準を一定の手順により推奨国家標準に転化して制定する活動を指す

第三条 
以下の条件に適合する団体標準は、この規定に従って推奨国家標準として採用できる
(一) 推奨国家標準制定の需要と範囲に適合しており、技術的内容は先進性、先導性を備えている
(二) 団体標準化の優良行為標準に適合する社会団体により制定、公布されている
(三) すでに全国団体標準信息平台に公布され、実施から2年経過しており、実施の効果が優れている

第四条 
団体標準を推奨国家標準として採用する場合は、需要志向の原則と社会団体の自発性の原則を堅持すること
団体標準を採用した推奨国家標準(以下、「採用標準」という)は、採用された団体標準の技術的内容と原則的に一致するものとし、編集上の変更を行うことができる

第五条 
団体標準を推奨国家標準として採用する場合は公開し、透明性があり、各関係者から幅広く意見を聴取すること

第六条 
採用標準は、国家標準の著作権政策を遵守し、その著作権は国務院標準化行政主管部門に帰属すること

第七条 
国務院標準化行政主管部門は、団体標準を推奨国家標準として採用する作業を統括し、採用標準の立案、起草の組織、意見募集、技術審査、付番と承認公布の責任を負う
全国専門標準化技術委員会(以下、「技術委員会」という)は、国務院標準化行政主管部門の委託を受け、採用標準の起草、意見募集、技術審査の作業を担当する
国務院の関連行政主管部門、関連する業界協会は、国務院標準化行政主管部門の委託を受け、技術委員会が実施する採用標準の起草、承認申請などの作業実施に業務指導を行う

第八条 
採用申請は、団体標準を公布する社会団体が国務院標準化行政主管部門に提出すること
必要な場合、国務院標準化行政主管部門は、団体標準を公布する社会団体と協力して団体標準採用の提案を提出することができる

第九条 
採用申請を提出する際は、以下の資料を提出すること
(一) 採用提案書 採用標準の必要性と実行可能性、規定する主な内容、実施の見込みと効果の分析、統括技術委員会の提案などを含めること
(二) 採用標準が国家標準著作権政策を遵守する声明及び関連特許が必須特許であることを証明する資料
(三) 社会団体の登記が成立した際の「社会団体法人登記証書」及び年度検査記録
(四) 社会団体が団体標準化の優良行為評価に適合する証明
(五) 団体標準及びその編集説明の紙版文書と電子版文書
(六) 団体標準の編集過程における調査研究、試験検証、中核技術内容確定の根拠、意見募集及び意見取扱い状況、審査意見、審査会議の議事録などの技術資料、及び実施状況の証明

第十条 
国務院標準化行政主管部門は、国家標準専門審査評価機構組織の関連部門、業界協会、技術委員会などの領域の専門家に採用申請の評価を実施するよう委託する
評価内容には、推奨国家標準の関連要件のほか、さらに以下が含まれること:
(一) 第三条の規定条件の適合性
(二) 採用標準の必要性 具体的には以下のとおり:
— 標準使用者は普遍性を備えているか
— 採用標準の需要と緊迫性
(三) 採用標準の実行可能性 具体的には以下が含まれる:
— 団体標準の制定過程で合意したコンセンサスの程度 例えば全国範囲での受容性
— 団体標準の実施コスト 例えば団体標準の実施で必要な商業、貿易などの応用条件、及び使用する必要のある特定設備などの状況
— 団体標準が推奨国家標準の文書内容の作成を十分支援できるかどうか
— 団体標準が特許に関わる状況、及び特許の実施条件
— 団体標準の実施で必要不可欠な規範的引用文書が公開され入手可能かどうか
評価では、国務院標準化行政主管部門の意思決定の参考用として、採用に同意するかどうか、適用する制定手順、統括技術委員会などの分野の提案を示すこと

第十一条 
同一の標準化対象に採用申請を提出する複数の団体標準がある場合、国務院標準化行政主管部門は、複数の団体標準を総合的に評価した上で、優れたものを選択して採用すること

第十二条 
評価に合格した項目は、国務院標準化行政主管部門が統括技術委員会の意見としての提案を求め、全国標準信息公共服務平台で一般に公示する
評価に不合格の場合は、国務院標準化行政主管部門が採用申請を提出した社会団体に返却する

第十三条 
異議がない採用標準項目は、国務院標準化行政主管部門が統括技術委員会に計画を下達する
異議がある採用標準項目の場合、国務院標準化行政主管部門は意見を調整、評価した後、統括技術委員会に計画を下達するか申請を提出した社会団体に返却するかを確定する

第十四条 
採用標準は標準起草の段階を省略でき、統括技術委員会が「国家標準管理弁法」の規定に従って意見募集と技術審査を行う
必須特許に関わる場合、特許権者は特許許可声明を提出し、国家標準の必須特許の関連手順に従って手続きすること
制定過程においてコンセンサスの程度が高く、全国範囲において高い受容性を備え、明らかな実施効果が発生する団体標準の場合、統括技術委員会は意見募集期間を短縮できる
意見募集期間は通常、7日以上とする
必要な場合は、国務院関連行政主管部門の意見を求める
制定過程におけるフィードバック意見の処理、標準草案及び関連文書の整備は、統括技術委員会が組織し、社会団体が実際の作業を担当できる

第十五条 
採用標準の前言に以下の説明を示すこと:
「この文書はXX社会団体が公布したT/XXX XXX-XXXX「」を採用したものである」
採用標準には引言を設け、採用標準自体の内容に関連する情報の説明に用いること
それには背景、目的及び技術内容に関わる特別な情報あるいは説明などを含めることができる

第十六条 
採用標準項目は計画の下達から承認申請資料の届け出まで12ヵ月を超えないものとする
期限が過ぎて承認申請できない採用標準項目は、国務院標準化行政主管部門が確認してから終了し、採用申請を提出した社会団体に通知すること
技術審査に不合格の採用標準項目は、国務院標準化行政主管部門が確認してから終了し、採用申請を提出した社会団体に通知すること

第十七条 
この規定は公布日から実施する

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