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国家標準化法 改正概要

標準化法とは……

標準化法とは、文字通り、中国の標準化制度について定めた法律で、1989 年 4 月 1 日実施されています。

現行の標準化法(1)~標準化の対象範囲~

現行法の対象範囲は下記の通りですが、改正草案では「農業、サービス業、社会管理も対象に含める」となっています。

  • 工業製品の……
    品種、規格、品質、等級、安全、衛生について
    設計、生産、検査、包装、貯蔵、輸送、使用方法、生産、貯蔵、輸送過程の安全、衛生について
  • 環境保全に関する各種技術基準及び検査方法
  • 建設工事の設計、施工方法及び安全
  • 上記に関する技術用語、符号、略号及び製図方法

現行の標準化法(2)~標準規格の種類~

現行法では、国家標準、業界標準、地方標準、企業標準の4種のみが言及されていますが、改正草案では『団体標準』について言及されています。

  • 国家標準……国務院の標準化行政主管部門が制定
  • 業界標準……国務院の関係行政主管部門が制定・国務院の標準化行政主管部門に届け出
  • 地方標準……省・自治区・直轄市の標準化行政主管部門が制定・国務院の標準化行政主管部門及び国務院関係行政主管部門に届け出
  • 企業標準……企業は生産した製品に関する適切な国家標準及び業界標準がない場合は、生産遂行(品質保証)の根拠として企業標準を制定しなければならない
    国家標準、業界標準がある場合でも、より厳しい要件の企業標準を制定し、企業内部で実施することを奨励
    企業の製品標準は、地元政府の標準化行政主管部門及び関係行政主管部門に届け出

現行の標準化法(3)~強制標準と推奨標準~

重複・矛盾する標準規格の整理・統合、強制標準の国家標準への一本化が発表されており、その内容に沿った法改正が行われるものとみられます。

  • 強制標準……人体の健康、人身、財産の安全を保障する標準及び法律・行政法規における強制執行の標準
  • 推奨標準……その他の標準
  • 【現行】 国家標準、業界標準、地方標準ともに、強制標準と推奨標準がある
    省・自治区・直轄市の標準化行政主管部門が工業製品の安全、衛生基準について制定した地方標準は、所轄行政区域内では強制標準
  • 【改正】強制標準となるのは、国家標準のみ。業界標準、地方標準はすべて推奨標準?

国家標準化法改正草案の内容

2016年3月22日、国家標準化法の改正草案が意見募集のために公開されました。 ここでは、同時に公開された変更点に関する解説記事を紹介します。

中華人民共和国標準化法(改正草案・意見募集原稿)に対する
国務院法制弁公室による公式解説(抄訳)

I 改正の必要性……現行法に対する問題認識

1989年施行の同標準化法を現代のニーズに合わせる。

  • 標準範囲が狭すぎる。主な対象は工業製品、建設、環境保護。
  • 強制標準を制定する機関が分散しており、重複などの問題がある。
  • 政府が制定を主導する標準が大すぎ、団体や企業が制定する標準が不足。
  • 標準の制定、施行、評価、標準化への監督措置が不十分。

II 全体方針

  • (上記の)問題解決
  • 政府機構簡素化と権限移譲など
  • 社会管理と公共サービスのニーズに応じて標準範囲を拡大
  • 部門の職責を整理

III 意見募集原稿の主な内容

  • 標準範囲拡大:農業、サービス業、社会管理も対象に含める。(第2条)。
  • 強制標準の統一的管理を強化:
    (1)強制標準の範囲を健康と財産の安全、国家安全、生態環境の安全、社会経済の基本的管理に絞る(第9条第1項)。
    (2)国務院標準化行政主管部門が強制国家標準の統一的管理(立案、番号化、公布など)を担当。国務院行政主管部門が強制国家標準の起草手配、意見募集、審査、施行と監督の手配を担当。省、自治区、直轄市政府は、国務院標準化行政主管部門に、強制国家標準の立案を提案できる。(第9条第2、3項)。また強制国家標準は無料で公開するものとし、施行状況の統計分析報告制度を構築。(第9条第5項、第22条)
  • 推奨標準体系を最適化:業界標準および地方標準は推奨標準とする(第11条1項、第12条1項)。省級政府の標準化行政主管部門だけでなく、地級市政府の標準化行政主管部門も必要に応じ地方標準を制定できる(第12条2項)
  • 団体標準の導入と企業標準関連規定の完備:
    (1)合法的に設立された団体は団体標準を制定できる(第13条1項)。
    (2)団体標準が試行段階にあることを考慮し、同標準の管理実施法は国務院標準化行政主管部門が制定する(第13条2項)。
    (3)国家、業界、地方標準より基準の高い企業標準の制定を推奨(第14条)。
    (4)企業標準登録に代わる「企業標準の自己宣言公開制度」を設立(第24条)。
  • 標準制定原則などを完備:
    (1)経済や社会成長のために急務のものを制定。国務院標準化行政主管部門または国務院行政主管関連部門が率先して立案(第15条)。
    (2)標準制定は国家資源の合理的利用に資するものであるべきで、国民の健康や財産を害する内容であってはならない(第16、17条)。
    (3)制定にあたっては、企業、研究機関、消費者、社会団体の意見を広く聴取すること。
    (4)標準施行追跡評価制度を構築し、評価結果を標準の改正や廃止の根拠とする(第22条)。
  • 監督部門の職責整理、および監督手段の付与:
    (1)国務院が標準化協調促進機関を設立。県級以上の地方政府は、必要に応じて標準化協調促進機関を設立可(第5条)。
    (2)県級以上の地方政府の標準化行政主管部門および行政主管関連部門は、標準化業務の監督や検査を行う。強制国家標準施工状況の監督および検査は、その重点である(第31条1項)。
    (3)国務院標準化主管部門の職責を明確にする(第32、33条)。
    (4)標準争議協調機関を設立し、制定や施行における問題点を処理する(第34条)。

国は、各地方政府が標準施行によって経済調整、市場参入許可、行政管理、公共サービスを提供し、質の高いサービス業を育成するよう奨励する。また、標準化関連の違法行為に対する補足的な法律を完備する責任を負う。(第28、30、36-40条)

関連記事

国務院が、「国発[2015] 13号 国務院、標準化活動改革の推進計画を通知」を公告する前後から、標準化法の改正に関する主なニュースをピックアップしています。 すでに改正草案が公開されており、適法性の審査や関係者・専門家に対する意見募集など、制定に向けた作業が加速している様子が窺えます。

中央政府の動きを表示する
中央政府の動き
両会で「標準化法」改訂に関する議題が提出される[更新日] 2015/03/06
[情報源] SAC(国家標準化管理委員会)
国家標準委、「標準化法」改正業務座談会を開催[更新日] 2015/03/23
[情報源] SAC(国家標準化管理委員会)
国家標準委主任、「標準化活動の改革推進計画」についてインタビューに応じる[更新日] 2015/03/30
[情報源] AQSIQ(国家質量監督検験検疫総局)
全人代財経委員会、「標準化法」の改正に向けた検討を開始[更新日] 2015/04/30
[情報源] SAC(国家標準化管理委員会)
質検総局と国家標準委、標準化活動改革のための部局間合同会議を開催[更新日] 2015/07/09
[情報源] SAC(国家標準化管理委員会)
国家標準委主任、標準化法改正がテーマの座談会に出席[更新日] 2015/07/21
[情報源] SAC(国家標準化管理委員会)
国弁発[2015] 67号 国務院、「標準化活動の改革推進計画」基本方針(2015-2016年)を通達[更新日] 2015/09/10
[情報源] SAC(国家標準化管理委員会)
国標委弁[2016] 7号 国家標準委、2016年の全国標準化重点業務を通達[更新日] 2016/02/18
[情報源] SAC(国家標準化管理委員会)
国務院法制弁公室、国家標準化法の改正草案に対する意見募集を開始[更新日] 2016/03/22
[情報源] 国務院法制弁公室
標準化法改正草案の概要を紹介[更新日] 2016/03/23
[情報源] SAC(国家標準化管理委員会)
国弁発[2016] 16号 国務院、2016年立法計画を通知[更新日] 2016/04/13
[情報源] 中国中央人民政府
中国法学会、「標準化法(改正草案意見募集稿)」の適法性を確認[更新日] 2016/04/15
[情報源] SAC(国家標準化管理委員会)
国務院法制弁公室、改正標準化法草案に対する専門家へのヒアリングを実施[更新日] 2016/04/20
[情報源] SAC(国家標準化管理委員会)
国務院法制弁公室、改正標準化法草案について企業関係者にヒアリング[更新日] 2016/04/20
[情報源] SAC(国家標準化管理委員会)
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